作成者:30代 男性
はじめに、2007年1月1日 監禁が実施された当時の状況を簡潔に述べさせて頂きます。
事前準備:監禁実施に至るまでの想像を超える家族への指示の数々
2006年11月1日 第二東京弁護士会所属・渡辺博弁護士から、突然母宛に手紙が届く。子供が摂理というカルト宗教に入っていて、このままでは人生が台無しになるから、脱会させるための牧師を紹介すると。
母から渡辺弁護士に確認の電話をし、会いに行く。
愛澤豊重牧師を紹介される。
後日、父、母、兄、姉の4人で愛澤牧師に会いにいく。
ここから、2ヶ月間、家族に対して脱会に向けての教育が始まる。
愛澤牧師が家族に対して私を脱会させるために提示した条件。
1.全員仕事を辞めること
2.監禁用のマンションを借りること
3.わたしの様子を観察すること
4.マインドコントロール等に関する牧師推薦の書籍を読むこと(数十冊ありました)
これらを全て準備した上で、監禁監視の当日に至ります。
家族が仕事を辞める件について、当時、兄の職場の上司は日本基督教団所属の川島堅二牧師に相談していました。その際、このような監禁手法について、川島牧師が推奨したことも、家族全員が仕事を辞める後押しになりました。
当日:豹変した家族
2007年1月1日 正月のため、私が実家に帰省(当時私は大阪在住)
実家には、父、母、兄、姉、叔父がいました。
同日夕刻、突然、摂理に関することを問われ、兄、父、姉などが一斉に飛びかかってきました。持参していたPC、携帯などを取り上げられ、豹変して飛びかかってきた家族に驚きましたが、私のほうが力は強かったので、強制的な監禁場所への連行には至らず、監禁場所への移動は断固拒否したので、自宅での監禁が始まります。外出は禁止され、鍵がかけられ、ドアの前には見張りの家族がいる状態でした。
3日間昼夜を問わず、自身の信仰と摂理の教義について説明をし、また、愛澤牧師他、監禁の手引をした人たちの私や摂理についての話が事実と異なる点を家族に対して説明しました。
事実とは異なる点としては、まず大きな誤解として、カルト集団だと認識されていることでした。とある教会のように霊感商法はしていないこと、また別の宗教団体のような犯罪行為をしていないこと、マインドコントロールをされていないこと、私が家族のことを非難しているという愛澤牧師の話は事実無根であること等を説明しました。
監禁中、家族は随時電話で愛澤牧師と連絡をとり、どうするべきか、指示を仰いでいました。
愛澤牧師から教育をうけた家族は、私に対して犯罪者、殺人さえもする存在のように認識させられていたことに驚きを禁じ得えません。(実際、包丁なども全て隠されていました。)
監禁4日目には、愛澤牧師から説明を受けていたことと私自身の状態、摂理の実体が異なることを理解してもらい、外出されることを許されました。
わが家の場合、実際は自宅での監禁であり、その監禁の現場では家族(父、母、姉、兄)と親戚(叔父)のみが愛澤牧師と電話でやり取りをしていたので、愛澤牧師本人は自宅には現れませんでした。
当初は、愛澤牧師が在任していた立川キリスト教会のそばに監禁用のマンション(エクセルK205号室)を賃貸契約しており、そこで監禁する予定だったのが、家族による強制的な連行を私が断固拒否したため、自宅での監禁になりました。
愛澤牧師による監禁又は、監禁教唆は、彼が作成した資料「脱MSへの話し合いの注意事項」という手引に則って行われていました。その手引には、「話し合い」となっていましたが、事実上、監禁という手段を用いた説得であり、精神的な脅迫を手段に行われています。
私の場合、当時、自宅を脱け出すことができなかった精神的な強制力は、家族が自分の脱会のために、全員、仕事をやめていた事実です。また、泣きわめく家族を置いてはいけない状況がありました。
また、狭い空間に長時間閉じ込めた状態での、説得、話し合いは、極度の精神的な苦痛を与えるもので、家族愛に大きな傷を刻みました。しかし、脱会手引にもあるように、愛澤牧師らはこれを故意に推奨しています。
家族の愛情を利用した手段は、同時に、家族愛に大きな傷を与えたのです。
監禁後、私と家族との間には大きな亀裂が生まれます。本当に仲の良い愛にあふれた家族ですが、3年以上はぎくしゃくした関係が続きました。
また、残念なことに、当時の心労により脳内出血で父は倒れ、高次機能障害、半身不随となり、今に至るまで私のことも認識できない状態です。現在、母が自宅で父を介護しています。
監禁をしてしまった親の側は、私以上に大きな傷を背負いましたが、善良に生きることを努力し、歯を食いしばり耐えてきました。父が倒れたことと愛澤牧師たちがしたこととの関連性に証拠はないですが、事実、そうだと切実に訴えたい思いです。
摂理に対する誤解と、人権を侵害する不法な方法で行われる脱会説得が、これ以上行われないことを切に願います。
以上